はじめに
近年、機械学習の発展に伴い、多くのデータサイエンティストや機械学習エンジニアが、実験管理やモデルの追跡、再現性の確保などに取り組んでいます。そのような課題に対処するために生まれたのが、MLflowというPythonライブラリです。MLflowは、実験の記録、コード、データ、モデル、メトリクスの管理を効率化するためのツールです。本記事では、MLflowの基本的な機能や使い方について解説します。
MLflowの機能
MLflowは、大きく以下の3つの機能で構成されています。
- トラッキング: パラメータ、メトリクス、モデルのバージョンなどの実験結果を記録し、可視化する機能。
- プロジェクト: コードや環境のパッケージ化、再現性の確保を支援する機能。
- モデルレジストリ: モデルのバージョン管理や共有を行う機能。
これらの機能により、MLflowは機械学習プロジェクトの管理を大幅に改善します。
MLflowの使い方
実験のトラッキング
まずはじめに、MLflowを使って実験をトラッキングする方法を見てみましょう。以下は、簡単な回帰モデルをトレーニングし、その結果をMLflowで記録するサンプルコードです。
このコードでは、MLflowで実験を開始し、モデルのトレーニングを行っています。また、トレーニングしたモデルやメトリクスをMLflowに記録しています。
import mlflow
import mlflow.sklearn
from sklearn.datasets import load_diabetes
from sklearn.ensemble import RandomForestRegressor
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.metrics import mean_squared_error
# データの読み込み
X, y = load_diabetes(return_X_y=True)
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.2, random_state=42)
# モデルのトレーニング
with mlflow.start_run():
model = RandomForestRegressor(n_estimators=100)
model.fit(X_train, y_train)
# 予測
y_pred = model.predict(X_test)
# メトリクスの記録
mse = mean_squared_error(y_test, y_pred)
mlflow.log_metric("mse", mse)
# モデルの保存
mlflow.sklearn.log_model(model, "random_forest_model")
実験結果の可視化
MLflowは、実験結果を可視化するための機能も提供しています。以下のようにして、MLflow UIを起動し、実験結果を確認することができます。
mlflow ui
![](https://datastudy.gonna.jp/wp-content/uploads/2024/03/image.png)
まとめ
本記事では、実験管理に便利なPythonライブラリであるMLflowについて紹介しました。MLflowを使用することで、機械学習プロジェクトの管理や追跡を効率化し、再現性の確保を実現することができます。是非、MLflowを活用して、より効果的な機械学習の開発を行ってみてください。
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